ブルセラ病(法定)
概要
 本病は、ブルセラ菌の感染によって流産や子宮内膜炎を起こす細菌病です。発生は世界中で認められていますが、わが国での発生はありません。人獣共通感染症の一つで、法定伝染病に指定されています。
主な原因
 導入した保菌豚が感染源となり、ブルセラ菌は流産胎子や悪露とともに体外に排泄され、飼料や飲水を汚染して経口感染により伝播します。ヨーロッパや中南米では地方病的流行が認められています。
主な症状
 流産は妊娠中・後期、すなわち胎齢60〜90日に起こりやすく、交配や汚染精液によっても伝播します。妊娠豚は前ぶれなしに突然、流産を起こしますが、流産胎子の外見は正常です。その後、子宮内膜炎を併発することが多く、長期にわたり分泌物を流出します。雄豚では精巣炎を起こし、精巣は健康時に比べて4〜5倍に腫れます。
主な予防法
 発生国ではワクチン接種による予防が行われています。わが国は清浄国なので、輸入豚の検疫が重要です。本病が発生した場合は、殺処分し、豚舎の消毒を徹底します。