炭疽菌の感染によって起こる人獣共通感染症で、豚のほか牛やめん羊がかかります。本症では、敗血症、腸炎、アンギナなどの症状がみられ、法定伝染病に指定されています。 |
炭疽菌は土壌中で長期間生存するので、畜舎内外の土砂の移動が汚染源となることがあり、土壌病とも呼ばれます。感染経路は経口的で、豚では汚染骨粉を添加した飼料などを介した感染例がみられます。豚での発生は牛に比べて少なく、慢性経過の場合はと畜検査時に発見されることがあります。 |
いろいろな症状を示し、全身感染を起こすと、敗血症で急死し、死体の肛門、鼻孔などの天然孔から凝固不全の血液の流出が認められます。腸に感染が起きた場合は下痢または便秘がみられる以外はほとんど症状はみられず、痩せてきます。喉の部分に感染すると、咽喉頭部が腫大し、呼吸困難や喘鳴音、すなわち一種の唸り声が聞こえ、重症例では窒息死することがあります。 |
本症の発生のあった豚舎は、徹底した消毒を行います。また、死体を埋却した場所の土砂の移動は避けます。 |
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