狂犬病(法定・海外)
概要
 本来は犬がかかるウイルス病ですが、豚やいのししが感染すると神経症状を示して死亡することがあります。本病は、人もかかる人獣共通感染症で、法定伝染病・海外伝染病に指定されています。
主な原因
 伝播は狂犬病ウイルスに感染した犬のかみきずによることが多く、感染動物の唾液に含まれる狂犬病ウイルスがかみきずから体内に侵入して発病します。都市部では犬や猫を中心に流行しますが、森林地帯では野生動物の間で流行し、家畜ではコウモリが感染源となって発病することがあります。
主な症状
 豚が発病すると、狂騒状態となって攻撃性が高まり、かみあって皮膚にかみきずが目立ち、また、子豚をかみ殺す異常行動がみられます。さらに、沈うつ、暗所に立って震えたり、身体のこすり付け、異常な鳴き声、食欲減退、性欲の異常などがみられ、最後は全身麻痺を起こして死亡します。
主な予防法
 わが国では犬へのワクチン接種が義務化されています。また、1957年以降発生がなく、「狂犬病予防法」に基づく検疫対象動物として犬のほか、猫、アライグマ、スカンクおよび狐の検疫を行い、国内への侵入防止に努めています。発病動物は隔離観察し、診断が確定された後殺処分します。