流行性脳炎(豚の日本脳炎)(法定)
概要
 繁殖雌豚では異常産、繁殖雄豚では精巣腫大などを起こすウイルス病で、コガタアカイエカと呼ばれる蚊の吸血により伝播し、法定伝染病に指定されています。
主な原因
 日本脳炎ウイルスに感染している豚の血液を吸ったコガタアカイエカは、自分の体内でウイルスを増殖させ、他の健康な豚を吸血する際にウイルスを伝播します。したがって、毎年その地域での蚊の吸血活動が活発になる時期に発生し、流行地域は南から北に拡大します。異常産は、春から夏にかけて種付けされるワクチン未接種の初産豚に多く発生し、発病季節は8〜11月の間です。しかし、経産豚は免疫を獲得しているので異常産はほとんど発生しません。
主な症状
 母豚は感染しても妊娠中は無症状なので、多くの場合、異常産の発生により初めて本症の発生に気付くようです。異常産は胎子ごとに感染時期が異なるため、ミイラ・黒子・白子などの死産胎子を娩出するほか、娩出直後から震え、痙攣、旋回などの神経症状を示して死亡する子豚が混在します。妊娠早期に感染すると、初期胚や感染胎子は吸収されるため、産子数の減少や不妊の原因となります。雄豚は精巣が腫大し、交尾欲減退、精子数の減少などにより不妊症となります。
主な予防法
 春から夏にかけて種付けを予定している初産豚を対象にワクチン接種を行います。