口蹄疫(法定・海外)
概要
 牛、豚などの偶蹄類がかかり、口内や蹄冠部に水疱ができるウイルス病です。本症は伝播力が強く、国際的に最も重要な伝染病とされ、法定伝染病・海外伝染病に指定されています。
主な原因
 感染した豚や牛との接触あるいはウイルスに汚染された飼料、水、敷わらなどを介して伝播し、空気伝播も起こります。国際間の伝播は人、汚染した家畜や畜産物の流通、船舶や航空機の汚染厨芥などを介して起こります。世界各地で発生しており、1997年に台湾、2001年に英国で大規模な発生がみられ、わが国では2000年に牛での発生が確認されましたが、感染牛の摘発・淘汰により清浄化されました。
主な症状
 発熱、鼻漏、流涎、跛行などがみられた後、舌、口唇、歯齦などの口腔粘膜、蹄部や乳房・乳頭などに水疱ができます。水疱は急速に大きくなり、やがて破裂して潰瘍やびらんとなり、激しい痛みで飼料の摂取や歩行が困難となります。死亡率は成豚では5%未満ですが、哺乳豚では50%以上に達します。

主な予防法
 わが国は清浄国なので、汚染国からの動物や畜産物の輸入禁止または制限により侵入防止を図っています。本症が発生した場合は、感染豚や牛の摘発・淘汰により蔓延を防止します。なお、わが国は緊急用としてワクチンを備蓄しています。