牛疫(法定・海外)
概要
 牛、豚などの偶蹄類がかかるウイルス病で、血液の混じった下痢や口内に水疱などの症状がみられます。本症は伝播力が強く、法定伝染病・海外伝染病に指定されています。
主な原因
 感染した豚や牛との接触またはウイルスに汚染された飼料、水、敷わらなどを介して伝播します。発生はワクチンの普及によって世界的に減少し、現在はアジアやアフリカの一部地域に限られています。わが国での発生は1925年以降ありません。
 牛疫に対する抵抗性は品種によって異なり、ヨーロッパ原産の豚は感染しても発病しないことが多く、アジア原産の豚では激しい症状がみられます。
主な症状
 発熱や食欲不振などの症状がみられた後、激しい震え、呼吸促迫や鼻汁の漏出、舌、唇、歯齦などの口腔粘膜に水疱やびらんなどがみられます。下痢を伴い、便は悪臭を伴う水様性血便が特徴です。発病後5〜9日の経過でほとんど死亡します。ヨーロッパ原産の豚は抵抗性があるためほとんど症状を示しません。妊娠豚は流産を起こすことがあります。
主な予防法
 わが国は清浄国なので、汚染国からの動物や畜産物の輸入禁止または制限により侵入防止を図っています。なお、わが国は万一の発生に備え、ワクチンを備蓄しています。