本症は、上顎・下顎骨の変形、腫瘤などの体表・外貌等の異常を示す伝染病です。
 散発的に発生しますが、集団で発生することもあります。発生には年齢、系統、性別、季節的な差はないとされております。飼料として粗剛な茎・枝や尖鋭な種子・モミガラなどを給与すると、口腔内にキズができ、そこから原因菌が侵入して骨膜に達し、主として下顎、上顎あるいは頭部の他の骨組織を障害すると考えられています。
 下顎骨、上顎骨を巻き込む灰白色ないし黄白色の硬い腫瘤形成が特徴で、症状が進むと、病巣が破れ、膿汁を排泄するようになります。顎骨は変形して顔面は腫脹し、顎が出っ張った異様な顔面を呈します。この時にはかなり症状が進んだ状態と考えるべきです。肺、その他の軟部組織が障害される例もあります。 患部の歯は弛緩するため、採食困難となります。鼻腔が狭窄して、呼吸困難となる場合もあります。
 口腔内の損傷の原因となる硬い茎などの給餌を避けるようにします。腫瘤が小さければ外科療法による患部の切除、大きければ切開により膿を排泄し、ヨウ素剤の塗布および早期のペニシリン投与が効果的です。発見が遅れると治癒困難と思われます。