本症は、呼吸器系の異常を呈する伝染病で、多頭飼育牛群に大きい経済的被害を及ぼします。 |
年間を通じて発生しますが、特に春および秋に舎飼いまたはフィードロット方式の多頭飼育場に多発の傾向があります。咳、くしゃみによる飛沫感染および鼻汁の直接接触で感染します。通常は無症状型の気管支炎で、ウイルスや細菌の混合または二次感染、寒冷、換気不全などの飼育環境によるストレスが加わると発病します。成牛では、この種の肺炎はまれで、月齢が低いほど高率に発生します。 |
初期には発熱、眼結膜の充血、流涙、咳、水様鼻汁がみられ、やがて膿性鼻汁となります。経過が長引くと、一般症状は悪化し、可視粘膜のチアノーゼ、喘鳴、腹式呼吸を呈し、呼吸困難で横臥します。集団発生例では、牛舎内の方々から頑固な咳が聴かれます。 |
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保菌牛の導入を避けることが重要ですが、実際には困難です。本症が疑われる病牛が発生した場合には、隔離と早期の治療により、他への伝播を防止します。予防対策としては発病の誘因となる畜舎の気温の急変、換気不全、下痢による体力消耗、ワクチン接種によるウイルス感染防止に努めます。本症に有効な薬剤は、感染初期に投与しないと効果は期待できません。 |
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