本症は、主に蹄や鼻・口腔粘膜に水疱やび爛を形成するため、体表・外貌等の異常を示す法定伝染病・海外伝染病です。 |
本症は臨床的に口蹄疫と区別がつかないため、類症鑑別が重要です。本症の流行は初夏から晩秋にかけて季節的に起こります。伝播様式は、完全には解明されていませんが、唾液や水疱液を介した接触感染だけではなく、ダニ、ブユなどの吸血昆虫による媒介も示唆されています。本症は潜伏期間が短く、1〜4日です。 |
最初に流涎や食欲不振、40℃前後の発熱がみられます。続いて口腔粘膜、舌、乳頭・乳房および蹄部に水疱が形成されます。水疱は一時的な病変で、容易に破れてび爛や潰瘍となります。重度になると跛行(歩行障害)が認められるようになります。後遺症や死亡はまれで、一般的には1週間程度で回復します。 |
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発生国では不活化および生ワクチンが使用されます。有効な治療法はありませんが、二次感染を防ぐため抗生物質が投与されることもあります。わが国のような清浄国では、検疫強化による侵入防止がもっとも重要です。国内で発生がみられた場合には、法規に従い患畜の早期摘発・淘汰による蔓延防止策がとられます。 |
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