馬インフルエンザ(届出)
概要
 本症は、馬インフルエンザウイルスの飛沫感染によって起き、潜伏期間が短く、伝染性が著しく強い急性呼吸器感染症です。本症の特徴は、発熱、頻発する強い咳および鼻汁の漏出です。本症は世界中で発生していますが、わが国では過去に一度だけ大きな流行があり、それ以降の発生はありません。本症は届出伝染病に指定されています。
主な原因
 本症にはすべての年齢の馬が罹患します。飛沫感染するため、著しく伝染力が強く短時間で多数の馬が感染します。感染率は高いのですが死亡率は5%以下です。本症は1980年に発生しましたが、それ以降の発生はありません。
主な症状
 本症の潜伏期は短く、1〜3日です。40℃前後の高熱が発症後2〜3日間みられ、頻発する強い咳ならびに呼吸困難がみられます。併せて、発熱時には食欲不振、元気消失、筋肉痛などを示します。
主な予防法
 わが国では不活化ワクチンがあり、すべての競走馬と一部の乗馬などに定期的に接種されています。本症は極めて伝染性が強いので、本症と診断された場合、早急に馬群の移動禁止などの防疫処置を実施することが必要です。
 有効な原因療法はなく、対症療法としての解熱剤および消炎剤の投与の他、二次感染を防ぐための抗生物質の投与が実施されます。