本症は、センコウヒゼンダニおよびキュウセンヒゼンダニの寄生に起因します。特に、ヒツジキュウセンヒゼンダニの寄生による疥癬は届出伝染病に指定されています。また、山羊ではヤギセンコウヒゼンダニによる被害が最も多く、しかではキュウセンヒゼンダニによる被害が報告されています。 |
めん羊、山羊およびしかの疥癬は、各々のヒゼンダニの感染によって発症します。病畜との接触により本症に感染しますが、特にダニは高温時に活動するため、夏期に感染する機会が増えます。めん羊の疥癬では毛根部の表皮が摂食され、羊毛の品質低下を招き、経済的に大きな被害を起こします。 |
かゆみが激しく、皮膚が赤くなり、水疱、小結節を形成し、組織液の滲出が原因で痂皮形成がみられます。特に、めん羊では症状が顕著です。センコウヒゼンダニは、皮膚にトンネルを作り、キュウセンヒゼンダニは、表皮に存在します。体を温めるとそれぞれの動きが活発となり、かゆみを増します。 |
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予防法は、早期に発見し、病畜を隔離飼育することです。病畜は、薬浴が有効ですが、めん羊では剪毛後でなければ効果がありません。また、イベルメクチンの投与も有効であると思われます。しかでは、薬浴は極めて困難であり、イベルメクチンの滴下を考慮するくらいです。 |
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