本症は、オルフウイルスの感染によって起こる疾病で、めん羊、山羊、ニホンカモシカなどに丘疹や水疱を生じる体表・外貌の異常を主徴とします。届出伝染病に指定されており、人にも感染する人獣共通感染症です。 |
本症の原因はオルフウイルスです。本症は、世界的に分布し、若いめん羊や山羊に多くみられ、大きな経済的被害をもたらします。わが国でも本症の発生がみられます。伝播様式は主として接触感染で、皮膚の創傷から直接的に、またウイルス汚染飼料などを介して経口的に感染が成立します。罹患率は100%に達しますが、致死率は低く、1%以下です。分娩、長距離輸送などのストレスなどにより症状が悪化します。病変部によっては哺乳・採食・歩行が困難となります。また、二次感染がみられるものでは重症となります。ウイルスは乾燥に強く、乾燥した痂皮の中では低温で長期間感染性を保持します。病変部が脱落・付着した汚染飼料や飼育施設などは長期にわたり感染源となります。人では発症動物と直接接触する機会の多い獣医師やめん羊飼育管理人などが感染します。 |
口唇部、口腔、顔面、耳介部、乳房、四肢の蹄冠部、まれに外陰部などに丘疹・水疱を形成します。まれに膿疱・潰瘍まで進行します。痂皮を形成し、痂皮脱落後1〜2ヵ月で治癒しますが、持続感染することもあります。 |
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病変部の乳剤を用いた生ワクチンが一部の国で市販されていますが、ワクチン接種動物は本ウイルス非汚染群に対する新たな感染源となるため注意が必要です。早期発見・隔離が重要です。飼育施設の消毒、二次感染の防止などを行います。治療法はありません。 |
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