本病は、ブルセラ菌の感染により引き起こされ、流死産、不妊を主徴とする牛、水牛、しか、めん羊、山羊、豚およびいのししの法定伝染病です。本菌は、他種動物にも感染し、人にも感染する人獣共通感染症の一つです。 |
本病の原因はブルセラ菌です。本菌は乳汁中に排泄されます。流死産胎子、胎盤、悪露、汚染した敷きわら・飼料・飲料水・牧草などが感染源となり、経皮・経口感染します。また、保菌雄を介した交尾感染、野生動物や吸血昆虫によっても伝播します。
めん羊の品種により本病の感染性には差があり、放牧を主体とする地域では、本病の発生や感染に季節性を有することもあります。
わが国を含め一部清浄化に成功している国はあるものの、本病は広く全世界に分布しており、特に発展途上国や畜産国では、生産性の低下につながる重要な感染症です。 |
雌の主症状は、妊娠4ヵ月頃にみられる前駆症状を伴わない流死産です。また、関節炎、精巣炎、精巣上体炎、生殖機能の低下などがみられます。本病により死亡することはまれです。 |
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諸外国ではワクチン接種による予防が実施されていますが、わが国では、検査し、法律によって殺処分する淘汰で、本病の浄化が図られています。対象動物の治療は禁じられています。また、その他の動物では、抗生物質であるテトラサイクリンの長期投与が行われますが、本菌は細胞内に寄生し、リンパ節に長期間生存するため有効な治療法はありません。 |
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