本症は、めん羊、山羊、牛などの反芻獣に発熱、嘔吐および下痢を示すウイルス性疾病で、反芻獣が幼若な場合には死亡率が高く、家畜における経済的損失は莫大です。法定伝染病・海外伝染病に指定されています。また、人にも感染する人獣共通感染症でもあります。 |
リフトバレー熱ウイルスが本症の原因です。本ウイルスの伝播には吸血蚊が媒介体として大きな役割を果たしていると考えられ、サシバエやヌカカの可能性も示唆されています。多くの場合、多雨の後、蚊の大発生とともに流行が起こります。 |
めん羊、山羊および牛での潜伏期は幼若畜では12〜24時間、成畜ではさらに長くなります。1週齢以下では急激な発熱および虚脱がみられ、36時間以内に死亡します。死亡率は高く、70〜100%です。成めん羊および成山羊では発熱、嘔吐、膿様の鼻漏、歩行不安定などを伴い、死亡率も20〜30%です。妊娠している場合は流死産を起こします。 |
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治療法はありませんが、予防法として生ワクチンおよび不活化ワクチンがあります。一方、殺虫剤による媒介体の駆除も考えられますが、確実ではありません。 |
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