本症は、馬、牛および豚を含む多くの動物の急性ウイルス病で、蹄や鼻・口腔粘膜に水疱やびらんが現れます。口蹄疫と症状が非常に似ていて区別が困難なため、類症鑑別上重要な疾病です。法定伝染病・海外伝染病に指定されています。 |
本症の原因は水胞性口炎ウイルスです。本症は、馬、牛、豚、しか、アライグマ、コウモリなどの家畜や野生動物に感染します。人への感染も報告されています。
伝播様式は完全に解明されていませんが、唾液や水疱液を介した接触感染だけではなく、ダニやブユなどの吸血昆虫による媒介も示唆されています。 |
本症の潜伏期間は短く1〜4日です。発症すると、最初に流涎や食欲不振、40℃前後の発熱がみられます。続いて口腔粘膜、舌、鼻、乳頭・乳房および蹄部に水疱や丘疹が現れます。水疱は一時的な病変で、容易に破れてびらんや潰瘍となり、やがて完全に治癒します。蹄部のびらんや潰瘍は細菌の二次感染を起こしやすく、重篤化の原因となります。跛行がみられることもあります。また、乳用山羊では泌乳量が低下します。多くの場合、約1週間で回復します。人では軽いインフルエンザ様症状を呈しますが、感染はまれです。 |
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発生国では過去にワクチンが使用されていました。有効な治療法はありませんが、二次感染を防ぐため、抗生物質が投与されることもあります。わが国のような清浄国では、検疫強化による侵入防止が最も重要です。国内で発生がみられた場合には、法規に従い患畜の早期摘発・淘汰が行われ、蔓延防止策がとられます。 |
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