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資 料

家畜衛生研修会(病性鑑定病理部門,2007)*†
における事例記録 ( III )

Proceedings of the Slide-Seminar Held by the Livestock Sanitation Study Group in 2007 Part III *†

(2008年2月1日受付・2008年5月1日受理)

14 馬の肝臓にみられた多発性巣状壊死
佐藤研志(北海道)
 日本輓系種,雄,33日齢,競走用,斃死例(死後約20時間で解剖).2007年3月29日生まれの子馬が,5月1日に発熱(39.7℃),元気消失,呼吸促迫,眼結膜の黄色化を呈した.地元の臨床獣医師が抗生剤,強肝剤を投与し,輸液,輸血を実施したが症状は改善されず,同日の夕方には起立不能,意識混濁を呈し斃死した.同居している繁殖牝馬8頭と子馬2頭に異常は認められなかった.

15 キジのPasteurella multocida(血清型A:3)による脾臓の多発性肉芽腫
平井伸明(岡山県)
 日本キジ,雌,96日齢,斃死例.肉用キジを飼養する施設で,2006年6月に約30日齢で導入されたキジ500羽のうち,同年8月25日までに189羽(37.8%)が斃死した.8月中旬以降に斃死率が増加し,8月16〜25日の10日間に70羽/381羽(18.4%)が斃死した.提出例は発育不良を呈し8月25日に斃死した個体で,他に臨床症状を呈さず急死した1羽,発育不良の2羽,頭部下垂を呈した1羽の計5羽について病性鑑定を実施した.

16 牛のボウマン嚢周囲の線維化を特徴とする腎異形成
矢彦沢小百合(長野県)
 ホルスタイン種,雌,約1歳5カ月齢.搾乳牛約370頭,育成牛約40頭を飼養する酪農家で,本症例は栄養および発育状態不良であった.2007年1月13日に斃死し,1月15日に病性鑑定を実施した.なお,担当獣医師による治療歴はなかった.

17 牛の尿細管の血液貯留と腎盂における出血を伴った尿細管上皮壊死
高島久幸(岐阜県)
 2007年3月に,19カ月齢の黒毛和種(去勢,肥育牛)が,突然起立困難となった.治療を実施されたが,予後不良と判断し病性鑑定を実施した.

18 牛のグラム陰性菌(プロテウス属菌を疑う)による化膿性腎炎
椛本綾子(動物検疫所)
 肥育用素牛,去勢雄,8〜12カ月齢,斃死例.2006年9月25日,動物検疫所門司支所で検疫を開始した豪州産輸入牛1,499頭のうち1頭が,10月7日に発熱,10月8日から下腹部膨満を呈した.10月10日に,下腹部膨満の増大,食欲廃絶,飲水少量,排便排尿少量となり,10月11日に斃死した.

19 豚丹毒菌による糸球体における多発性硝子血栓形成
加古奈緒美(愛知県)
 豚,去勢雄,約5カ月齢,斃死例.2,000頭の肥育豚を飼養する農場で,肥育後期に頭部,肩,四肢に発赤を呈し,2,3日後に斃死する豚が増加したため病性鑑定を実施した.



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※詳しくは日本獣医師会雑誌Vol.62 No.2をご覧下さい。
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* (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
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