要 約
ホルスタイン種乳牛における遺伝性横隔膜筋症の原因遺伝子の1つであるHeat Shock Protein 70(Hsp70)遺伝子の変異が,第四胃変位発生の要因である可能性について調査を行った.北海道根室地区のホルスタイン種乳牛で,第四胃変位を発症し,整復手術を受けた495頭の牛を調査対象とした.遺伝子型解析はPCR法により,変異ホモ型,ヘテロ型および正常ホモ型の遺伝子型に区分した.結果は,変異ホモ型1頭,ヘテロ型59頭,正常ホモ型435頭で,変異型遺伝子頻度は0.0616で,第四胃変位未発症牛492頭の変異型遺伝子頻度0.0986に比べて有意に低かった.この結果より,第四胃変位発症とHsp70変異遺型伝子との関連はないことが示唆された. ―キーワード:第四胃変位,Heat shock protein 70(Hsp70)欠損症,ホルスタイン種乳牛.
------------------------------日獣会誌 62,135〜138(2009) |
† 連絡責任者: |
加藤 肇(根室地区農業共済組合西春別支所) 〒088-2576 野付郡別海町西春別81番地2 TEL 0153-77-2301 FAX 0153-77-3577 E-mail : nosaikatohajime@isis.ocn.ne.jp |
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