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原 著

ブロイラーにおける蜂窩織炎の発生とその要因

渡邊 理   藪上 剛   亀山 衛   山口悦司   浦本京也

兵庫県和田山家畜保健衛生所(〒669-5243 朝来市和田山町高田666)

2008年3月24日受付・2008年6月30日受理

要   約

 2002年に,A系列のブロイラー出荷鶏で蜂窩織炎(Ce)が多発した.食鳥処理場(処理場)におけるCeによる廃棄率と病態を調査し,同系列の農場(農場)でCeを伴う漿膜炎(Se)型の大腸菌性敗血症(大腸菌症)を認めたので病理学的に比較した.いっぽう,B系列はCeの発生が少なかったので両系列の飼育状況を比較し,Ceの発生要因を調査した.A系列のCeによる廃棄率は0.88%で,B系列の0.03%に比べ有意に高かった.処理場のCe廃棄鶏の63%は雄で,下腹部や内股部に皮膚の肥厚,皮下水腫,チーズ様凝塊の形成を認めたが,Se病変はなかった.Ce病変やSe病変から大腸菌O78が分離された.農場のCe病変には痂皮形成や表皮炎を認めたので,床面との接触部位からの大腸菌感染が疑われた.発生要因として,給温期間,飼育密度,空舎期間が関与しているものと考察した.
―キーワード:ブロイラー,蜂窩織炎(Ce),大腸菌O78,発生要因.

------------------------------日獣会誌 62,121〜125(2009)




† 連絡責任者: 渡邊 理(兵庫県立農林水産技術総合センター北部農業技術センター)
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