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短 報

猫の脂肪肉芽腫性結膜炎の1例

斑目広郎1)†   笹川琴子1)   荻原喜久美2)

1)麻布大学附属動物病院(〒229-8501 相模原市淵野辺1-17-71)
2)麻布大学環境保健学部(〒229-8501 相模原市淵野辺1-17-71)

2008年3月31日受付・2008年5月19日受理

要   約

 手術により摘出された上眼瞼内腫瘤を病理組織学的に検索し「猫の脂肪肉芽腫性結膜炎」と診断した.来院時,猫の両側上眼瞼が腫脹を伴って下垂していた以外に全身的な異常は認められていない.黄白色調の腫瘤の一部は眼瞼縁からはみ出し,上眼瞼を反転すると腫瘤が眼瞼結膜上に認められた.組織学的には結膜固有層における大型遊離脂肪滴を中心とする化膿性肉芽腫性炎巣が形成されており,崩壊したマイボーム腺は切片内に含まれていなかった.本病変の完全切除には治療効果があり,予後は現在までのところ良好である.
―キーワード:猫,霰粒腫,脂肪肉芽腫性結膜炎.

------------------------------日獣会誌 62,61〜63(2009)




† 連絡責任者: 斑目広郎(麻布大学獣医学部付属動物病院)
〒229-8501 相模原市淵野辺1-17-71
TEL 042-754-7111 FAX 042-769-2420
E-mail : madarame@azabu-u.ac.jp