会報タイトル画像


行政・獣医事

動物用医薬品副作用症例報告
(平成17年12月分)

薬事法第77条4の2に基づく動物用医薬品副作用症例報告を次のとおり掲載する.


医 薬 品 の 名 称
(製造(輸入)業者名)

副 作 用 発 現 動 物

副 作 用 等 発 現 の 概 要 及 び 転 帰
デュラミューン8
(ジステンパー・犬アデノウイルス(2型),犬パラインフルエンザ・犬パルボウイルス感染症・犬コロナウイルス感染症・犬レプトスピラ病混合ワクチン)

共立製薬(株)

製造番号:101170A/1679110A

種 類


年齢等

投与前の健康状態

疾患等

投与量

投与法

投与
年月日
副作用発現年月日
(投与後時間)

副作用等の
種類

講じた
処置

転帰

ヨークシャテリア
2月齢 健康 lml(1バイアル),
皮下注射
平成17年
12月10日
平成17年
12月10日
食欲低下,虚脱,陰部の腫脹,チアノーゼ
平成17年12月10日の11時00分頃,本剤を初めて注射した.注射後約20分で元気減退し,その後食欲低下も認められた.自宅にて経過観察をしたが改善の徴候がなかったため,20時50分頃往診し,ブドウ糖,プレドニゾロンを投与した.その時点でチアノーゼ,虚脱(歩行困難)状態であった.
翌日の12月11日に来院時にはチアノーゼは認められなかったが,体温39.8℃で依然として元気減退,食欲減退状態であり,陰部浮腫が認められていた.入院させてプレドニゾロン,解熱鎮痛剤を投与し,12時間おきにビタミン剤とブドウ糖の投与を行いながら経過観察したが,12月12日(本剤注射2日後)朝に,腸管出血し死亡しているのを確認した.
治療
ブドウ糖,
プレドニゾロン,
ビタミン剤,
解熱鎮痛剤
死亡

《企業の意見及び対応》

  • 担当獣医師 : ワクチンによる副作用が原因で死亡に至ったと思われる.
  • 企    業 : 本剤を注射後,比較的短時間で元気減退しており,注射当日に食欲減退,チアノーゼ等も認められているため,本剤との因果関係は否定できない.翌朝の来院時に陰部浮腫が認められていたことからも,アレルギー反応であった可能性もある.死亡時に認められた腸管出血は,治療のために投与された解熱鎮痛剤による可能性も否定できないが,詳細は不明である.
  • 対    応:使用説明書には副作用の可能性について明記し,副作用が認められた際は適切な処置を実施するよう注意喚起している.今後も副作用等関連情報の収集等に努める.

家畜衛生週報(No. 2914)より