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行政・獣医事


【別紙2】
日本動物看護職協会発 第08001号
平成20年11月1日
社団法人 日本獣医師会
 会 長 山根義久 殿
日本動物看護職協会設立発起人
代 表 森 裕司
副代表 太田光明
副代表 西谷孝子
副代表 井上留美
副代表 横田淳子
日本動物看護職協会の設立に向けて(お願い)
 晩秋の候,貴会におかれましては,益々ご清栄のこととお喜び申し上げます.
 また,日頃より動物看護職の動物診療における位置づけをはじめ,その養成のあり方,職務環境の整備につきましては,種々ご指導ご鞭撻を賜り,心からお礼申し上げます.
 さて,貴職ご案内のとおり,動物診療の提供に対する社会的要請は高まりをみせ,かつ,高度化・多様化してきている中において,動物の診療施設において動物の看護を業務とする動物看護従事者(動物看護職)の役割は,獣医師による動物診療の提供を図る上において,また,動物飼育者に対する保健衛生指導や動物行動学を基盤とした適切な飼育管理を普及する上において不可欠な存在となってきており,その業務の質の向上とともに,不断の研鑽などの職務環境の整備を図ることが課題とされているところであります.
 以上の課題を解決するには,全国の動物看護職が大同団結し資格制度の整備を含め動物看護職の専門職としての位置付けの確保に向け統一的に活動する必要があるところです.
 今回,貴会をはじめ関係団体や養成学校(施設)などのご指導及びご支援により本年2月に組織した動物看護職全国協会設立準備会を発展的に整備し,日本動物看護職協会設立発起人会を発会することとしたところですが,動物看護職の全国組織の立ち上げにつきましては,貴会及び地方獣医師会様のほか,広く動物医療に関係する諸団体,更に養成学校(施設)等にも協力を求めるとともに,関係者・関係団体の皆様方のご指導を仰ぎ,各段のご理解とご支援を賜ることが不可欠と考えるところであります.
 つきましては,別添の「日本動物看護職協会設立趣意書」をご理解の上は,獣医界をはじめ動物医療関連業界の一層の充実と発展を期するため,貴職をはじめ貴会関係役員の方の発起人のご就任を,また,貴職より全国の地方獣医師会会長様の発起人へのご就任の労をお取り計らい願いたく,あわせて,今後とも「設立準備会」及び「設立発起人会」の活動に対しご指導・ご鞭撻並びにご支援賜りたく何卒よろしくお願い申し上げます.
 なお,「準備会」及び「発起人会」の活動拠点につきましては,日本動物看護学会の厚意により,事務局設置の場所に便宜を図っていただくこととなりました.今後,心機一転,協会設立に向けての活動に一層奮励・努力する決意でおります.
 しかしながら,活動の中核となるべき動物看護職自身が組織運営の経験に乏しく,当初の立ち上げの活動資金もままならず,関係各位からの格別の支援をいただかなければ,活動の継続が困難な状況にあります.
つきましては,貴会におかれては,特に事務作業に要する事務機器一式の貸与についてご高配くださいますよう,あわせてお願いします.

【別紙3】
日本動物看護職協会設立趣意書
 犬や猫などの家庭動物の一般家庭における飼育が普及し,動物愛護福祉の意識が国民各層に浸透する中,国民生活において動物とのより良い関係を築きあげることが重要となってきております.
 このような事情を背景に,動物の保健衛生の向上を図ることを第一義的目的とする動物医療に対する社会的要請は高まりをみせ,かつ,高度化・多様化してきているところであり,我々,動物診療施設において動物の看護を業務とする動物看護従事者(動物看護職)の役割は,獣医師による動物診療の提供において,また,飼育者に対する動物の保健衛生指導や動物行動学を基礎とした飼育管理の普及推進を図る上で必要不可欠なものとなってきております.
 我々動物看護職は,動物看護の業務に誇りを持ち,その専門職としての位置づけに向け,動物看護学の学問的体系の確立と業務の質の向上について,不断の精進に努めなければなりません.
 一方,動物看護職を称する者は,これまで2万人にも届く規模で輩出されているにもかかわらず,その養成課程や技術・知識水準の質の保証システムは整備されてはおらず,また,雇用及び業務環境についても,処遇をはじめ教育・研修体制は恵まれたものとはいい難い状況にあり,通算の就業期間は数年と短く,離職者も絶えません.最近においては,新規に動物看護職を目指し養成学校に入学を志望する者も減少傾向にあり,今後,人材確保の困難性が危惧されるところでもあります.
 今後とも社会の期待に応え得る動物医療の提供に向け,我々動物看護職は,自らが自立するとともに,各々が連帯を強めなければなりません.また,動物診療の専門職としての獣医師や我々の養成の母体となる大学・専門学校等の養成学校(施設),動物看護学に関する学術団体,動物看護職の民間資格の認定団体,さらに動物関連産業界の皆様と手を携え,社会的評価の下で動物看護職の養成課程や資格認定,また,生涯教育体制の整備による質の一層の確保とともに,職域諸環境の整備を図らなければなりません.さらに,今後,法令に基づく資格制度の下で真の専門職としての責務を担う資格者として動物医療におけるチーム医療の一翼を担うものとならなければなりません.
 以上の考えの下で今般,動物看護職の全国組織としての日本動物看護職協会の設立に向け活動を結集することを決意した次第です.
現在,動物看護職に従事されておられる同志・仲間の皆様,動物看護職を目指し養成学校(施設)において勉強に勤しんでおられる学生の皆様の日本動物看護職協会へのこぞっての参加を心からお願いするとともに,全国の獣医師会をはじめ,動物看護職の養成学校(施設)・獣医学系大学・学術団体・民間の資格認定団体,そして動物の生活・愛護福祉・医療等に係わる関連業界団体・企業の皆様方におかれましては,全国協会の設立及び運営に対する各般のご支援とご鞭撻の程,重ねてよろしくお願い申し上げる次第です.
平成20年11月吉日
日本動物看護職協会設立発起人会
代 表森 裕司(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
副代表太田光明(麻布大学獣医学部教授)
副代表西谷孝子(動物看護職全国協会設立準備会代表幹事)
副代表井上留美(動物看護職全国協会設立準備会幹事)
副代表横田淳子(動物看護職全国協会設立準備会幹事)



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