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原 著

鳩におけるColumbid herpesvirus 1とSalmonella enterica
serovar Typhimurium var. Copenhagenの混合感染症

油井 武1)†   芝原友幸2)   福田昌治1)   荒井理恵1)   吉田輝美1)
山本 佑2)   泉谷秀昌3)   久保正法2)

1)埼玉県中央家畜保健衛生所(〒331-0821 さいたま市北区別所町107-1)
2)(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所(〒305-0856 つくば市観音台3-1-5)
3)国立感染症研究所(〒162-8640 新宿区戸山1-23-1)

2008年3月25日受付・2008年7月29日受理

要   約

 2006年5月,埼玉県内の鳩舎で,飼養する全150羽が,年齢に関係なく下痢,沈鬱を示し,25羽が死亡した.このうち2羽を病性鑑定した結果,検査所見はほぼ共通していた.肉眼的に,肝臓に多発性黄白色病巣,F嚢に膿瘍がみられた.組織学的に,核内封入体を伴う多発性の壊死巣が肝臓,脳,気管,気管支および膵臓に認められた.免疫組織化学的に,抗Salmonella O4群陽性桿菌がF嚢と肝臓にみられた.超微形態学的に,肝細胞にヘルペスウイルス粒子が確認された.肝臓,脳および気管・肺からColumbid herpesvirus 1(accession no. AB426112),さらに,肝臓からは,Salmonella enterica serovar Typhimurium var. Copenhagen definitive phage type(DT)99も分離された.本症例は,Columbid herpesvirus 1とS. Typhimuriumによる致死性の全身感染症と診断された.
―キーワード:混合感染,Columbid herpesvirus 1,ハトヘルペスウイルス,鳩,Salmonella Typhimurium var. Copenhagen DT99.

------------------------------日獣会誌 61,957〜965(2008)




† 連絡責任者: 油井 武(埼玉県中央家畜保健衛生所)
〒331-0821 さいたま市北区別所町107-1
TEL 048-663-3071 FAX 048-666-8731
E-mail : a1065354@pref.saitama.lg.jp