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短 報

非分泌型多発性骨髄腫の犬の1例

酒井秀夫   酒井聖花   松本佳奈子

長崎県 開業(〒854-0003 諫早市泉町23-9)

2008年2月25日受付・2008年5月13日受理

要   約

 16歳齢,避妊雌のシェトランド・シープドッグが跛行と食欲不振を主訴に来院した.単純X線検査では骨融解性病変を,腹部超音波検査では脾臓に複数の腫瘤を認めた.血清および尿中にM蛋白は検出されなかった.脾破裂回避のため脾摘を実施し,術中に肝臓の腫瘤もみつかり肝臓の切除生検も行った.病理組織学的検査から脾臓と肝臓の形質細胞腫瘍と肝臓の肝細胞癌と診断された.さらに骨髄吸引検査と骨融解性病変の組織学的検査により非分泌型多発性骨髄腫と診断した.プレドニゾロンとアルキル化剤やビンクリスチン等の化学療法,ビスフォスフォネートの投与をおこなった.高Ca血症や骨融解の改善を認め,一般状態も良好に経過していたが,第160病日に急変し第162病日に死亡した.
―キーワード:犬,非分泌型多発性骨髄腫,ビスフォスフォネート.

------------------------------日獣会誌 61,952〜956(2008)




† 連絡責任者: 酒井秀夫(諫早ペットクリニック)
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