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短 報

ドキソルビシン,カルボプラチン,ピロキシカムにより
長期完全寛解が得られた犬の眼窩部軟骨肉腫の1例

矢野将基   森  崇   山田雅人   坂井田 誠
村井厚子   酒井洋樹   丸尾幸嗣

岐阜大学応用生物科学部(〒501-1193 岐阜市柳戸1-1)

2007年11月19日受付・2008年5月7日受理

要   約

 13歳,去勢雄の雑種犬が左上眼瞼内側の腫瘤を主訴に来院した.CT検査では左眼窩内側の骨吸収像と内部に骨形成を伴った約1.6×1.9cmの腫瘤を認め,病理学的検査で軟骨肉腫と診断された.ドキソルビシンとカルボプラチンを3週間おきに交互投与し,同時にピロキシカムを経口投与したところ,投与後1週間目より腫瘍は徐々に縮小し,臨床的に消失した.3回目のドキソルビシン投与後,化学療法はオーナーの都合により中止したが,現在まで2年以上再発,転移を見ていない.
―キーワード:軟骨肉腫,化学療法,ピロキシカム.

------------------------------日獣会誌 61,945〜948(2008)




† 連絡責任者: 森 崇(岐阜大学応用生物科学部獣医学講座獣医分子病態学分野)
〒501-1193 岐阜市柳戸1-1
TEL・FAX 058-293-2928
E-mail : tmori@gifu-u.ac.jp