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資 料

家畜衛生研修会(病性鑑定病理部門,2007)*†
における事例記録 ( I )

Proceedings of the Slide-Seminar Held by the Livestock Sanitation Study Group in 2007 Part I *†

(2008年2月1日受付・2008年5月1日受理)

1 子牛のStreptococcus bovisによる化膿性髄膜脳炎
佐藤 亘(大分県)
 黒毛和種,雌,20日齢,斃死例.2007年5月4日生まれの子牛が下痢を呈し,ストマックチューブにて代用乳を給与開始後,徐々に眼球白濁と起立不能を呈して斃死したことから,病性鑑定を行った.

2 新生豚にみられたオーエスキー病ウイルスによる非化膿性髄膜脳炎
油井 武(埼玉県)
 バーク種,肥育豚,4日齢,鑑定殺.母豚30頭規模の繁殖用養豚場において,2007年4月,母豚2腹から娩出した19頭のうち,11頭が死産,残り6頭が分娩後4日までに斃死した.生存した2頭は体温40.2℃,振戦など神経症状を呈した.本症例はそのうちの1頭である.

3 豚にみられたStreptococcus suisによる化膿性脳室炎・髄膜炎
中村 博(東京都)
 LWD種,雌,53日齢,鑑定殺.繁殖豚37頭,肥育豚220頭を飼養する一貫経営農家で,同一豚房の53日齢と56日齢の肥育豚に食欲不振,振戦,歩行困難などの症状がみられたため,病性鑑定を行った.

4 豚死産胎子における日本脳炎ウイルスによる非化膿性壊死性脳炎
松尾綾子(神奈川県)
 豚(交雑種),雄,胎齢約110日齢,死産例.総飼養頭数約800頭の一貫経営農家で,2005年9月から計6腹の流死産が続発した.2005年10月12日に1腹19頭(白子,黒子,ミイラ胎子混在)の死産が確認されたため,病性鑑定を実施した.なお,検診時に母豚および同居豚に異常産以外の臨床症状は認められなかった.

5 牛の頸髄における脊髄空洞症および線維素性組織球性クモ膜下腔・軟膜炎
岡田綾子(鳥取県)
 牛,ホルスタイン,26日齢,雄,鑑定殺.2006年10月18日生まれの子牛が,15日齢に突然起立不能,翌日には左眼球白濁,両飛節と臍帯部の腫脹を呈した.臍帯炎を疑い抗生物質を1週間投与したが,横臥,後弓反張様の神経症状を示し,発病11日目に鑑定殺した.



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※詳しくは日本獣医師会雑誌Vol.61 No.12をご覧下さい。
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* (株)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
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