会報タイトル画像


行政・獣医事

動物用医薬品副作用症例報告
(平成17年10月分)

薬事法第77条4の2に基づく動物用医薬品副作用症例報告を次のとおり掲載する.


医 薬 品 の 名 称
(製造(輸入)業者名)

副 作 用 発 現 動 物

副 作 用 等 発 現 の 概 要 及 び 転 帰
ドミトール

明治製菓(株)

製造番号:37

種 類


年齢等

投与前の健康状態

疾患等
既往歴副作
用歴

投与量

投与法

投与
年月日
併用薬 副作用発現年月日
(投与後時間)

副作用等の
種類

講じた
処置

転帰

シー
ズー
3歳 健康 なしなし 0.2ml皮下注射 平成17年
10月27日
ノモペイン,
リマダイル
平成17年
10月27日
心肺停止
術前にリマダイルをカルプロフェンとして4.3mg/kgを皮下投与し,その約3時間半後,ドミトールを承認用量範囲内(20μg/kg〜80μg/kg)の31.25μg/kg投与し,ノモペインをケタミンとして0.5mg/kgを筋肉内投与し気管チューブ挿管の上イソフルランを3%の濃度で吸入させ切皮し始めたところ突然心停止した.
アンチセダン,
アトロピン,
ボスミン,
点滴,
その後ラシックス
回復

《企業の意見及び対応》

  • 担当獣医師 : 事前に留置針及び気管チューブを入れていたので,今回は助かっていますが,そうでない場合は死んでいたと思います.
  • 企    業 : 当該患畜は簡易な術前検査では異常なしと判断されていたが,術前の詳細なモニター記録がないため呼吸器系・循環器系の状態は不明であった.さらに本個体が各薬剤に対して特異的な反応を示す体質であったのかも不明である.さらに薬剤投与後から心停止の原因特定は不可能である.ただし,緊急処置後,目的の処置は継続して完了している.しかし,今回の有害事象では本患畜に対し,ドミトールあるいはリマダイル及びイソフルラン,もしくはそれらのコンビネーションが何らかの誘引となった可能性は否定できない.
  • 対    応 : 今後も本製剤に対する正しい用法・用量と製剤に関連した諸注意の徹底,さらに同様の事例の情報収集と調査分析に努め,必要があれば適切な対応を行うこととしたい.

家畜衛生週報(No. 2913)より