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僧帽弁閉鎖不全症により明らかとなった 犬の二次孔型心房中隔欠損症の1例 |
1)愛知県 開業(〒497-0050 海部郡蟹江町学戸4-164) 2)東京農工大学農学部(〒183-8509 府中市幸町3-5-8) |
要 約
僧帽弁閉鎖不全症と診断し,5カ月間内科治療を行っていた11歳齢の雄の小型犬に,心房中隔欠損症を認めた.心エコー図検査において,短絡血流は左―右方向で速度は3.5m/secであったが,僧帽弁閉鎖不全症の進行とともに5.2m/secに上昇した.症例は,内科治療により暫く維持されたが,第86病日に左心不全を呈して死亡した.剖検によって,心房中隔に直径2mmの二次孔型欠損が確認された.小さな欠損孔の心房中隔欠損症は,重度の僧帽弁閉鎖不全症の血行動態を変化させず左心不全に陥るものと考えられた.
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