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短 報

馬のMultisystemic Eosinophilic Epitheliotropic Disease
の1症例

樋口 徹1)†   秦 秀明1)   井上 哲1)   佐藤正人1)
武田茂男2)   平山和子3)   谷山弘行3)

1)日高地区農業共済組合家畜診療センター(〒059-3105 日高郡新ひだか町三石東蓬莱200)
2)北海道 開業(〒057-0173 浦河郡浦河町上杵臼1086-12)
3)酪農学園大学獣医学部(〒069-8501 江別市文京台緑町582)

2007年11月21日受付・2008年3月27日受理

要   約

 馬のMultisystemic Eosinophilic Epitheliotropic Disease(MEED)のわが国における初発例について報告する.症例馬はサラブレッド種の雄2歳で,食欲不振と疝痛症状を示して来院した.末梢血での好酸球増加はなく,軽度の低蛋白低アルブミンが認められ,γGTPは著増していた.内科治療では症状は改善されなかったので,探査的開腹手術を行ったところ,小腸の肥厚と漿膜面の炎症が認められた.術後2日目に胃潰瘍の穿孔による腹膜炎となり,安楽死とした.剖検では膵臓に白色結節が多数認められた.病理組織学的には,膵臓,肝臓,小腸,リンパ節(肝門,腸間膜)に好酸球およびリンパ球浸潤,線維増生が観察された.膵臓の白色結節は好酸球性肉芽腫形成であった.本症例は病理組織学所見に基づいてMEEDと診断された.
―キーワード:馬,全身多発性上皮組織親和性好酸球症(MEED).

------------------------------日獣会誌 61,858〜861(2008)




† 連絡責任者: 樋口 徹(日高地区農業共済組合家畜診療センター)
〒059-3105 日高郡新ひだか町三石東蓬莱200
TEL 0146-32-3111 FAX 0146-37-2005
E-mail : hig@cocoa.ocn.ne.jp