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ロムスチンが有効であった犬の心基部にみられた 組織球性肉腫の1例 |
日本大学生物資源科学部(〒252-8510 藤沢市亀井野1866) |
要 約
10歳齢,避妊済み雌のゴールデンレトリーバーが約1カ月前のX線検査において胸腔内に腫瘤様陰影像が認められ,その後,発咳,嘔吐などの臨床症状を発現したため,本院を紹介来院した.第39病日に試験的開胸術による生検を行い,組織球性肉腫(HS)と診断した.3週間ごとにロムスチン(CCNU)40mg/m2を経口投与したところ,臨床症状の改善と明らかな腫瘍陰影の縮小が確認された.第569日に斃死するまでの間,計17回のロムスチンの投与を行ったが重篤な副作用は見られず,腫瘍は縮小したまま転移も認められなかった.以上の所見から犬のHSに対してロムスチンは有効である可能性が示唆された.
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