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鹿児島県で発生した若齢牛の非化膿性脳脊髄炎 |
1)鹿児島県鹿児島中央家畜保健衛生所(〒899-2201 日置市東市来町湯田1678) 2)鹿児島県肉用牛改良研究所(〒899-8212 曽於市大隅町月野2200) 3)鹿児島県姶良家畜保健衛生所(〒899-5241 姶良郡加治木町木田1641-1) 4)鹿児島県北薩家畜保健衛生所(〒895-0067 薩摩川内市上川内町5568-1) 5)鹿児島県鹿児島中央家畜保健衛生所大島支所(〒894-1507 大島郡瀬戸内町古仁屋1111-3) 6)(独)農業食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所九州支所(〒891-0105 鹿児島市中山町2702) |
要 約
平成18年9月下旬から11月中旬にかけて,鹿児島県の北西および南西地区で子牛や育成牛など若齢牛33頭に起立不能,異常興奮,神経過敏などの神経症状を主徴とする疾病が発生した.病理組織学的検査において,全頭に非化膿性脳脊髄炎が認められ,発症牛の延髄および同居牛の血漿から2株のアカバネウイルス(AKAV)が分離された.遺伝学的および抗原解析により今回の分離株はいずれも1984年に鹿児島県で分離されたIriki株と同じグループに属することが判明した.発症牛はAKAVのJaGAr39株および分離株に対して32頭が抗体を保有し,県内の未越夏おとり牛でもAKAVの両株に対してそれぞれ30.1および46.2%の抗体陽転が認められた.以上のことから,今回の若齢牛の非化膿性脳脊髄炎はAKAVの生後感染によることが明らかとなった.
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