要 約
保健所で収容,抑留した犬の糞便からカンピロバクター,アルコバクター,サルモネラの分離を試みた.カンピロバクターは157頭中21頭(13%)から検出された.C. jejuniは16頭から分離され,Penner血清群はO群およびR群が2頭ずつ,B群およびD群が1頭ずつ,他の10頭からの分離株は群別不能であった.C. coliは3頭,C. upsaliensisは2頭から分離された.アルコバクターは6頭(4%)から検出され,A. cryaerophilus(group 1B)は5頭から,A. butzleriは1頭から分離された.サルモネラは検出されなかった.カンピロバクターやアルコバクターを保菌している収容犬が認められたことから,収容犬の返還や譲渡にあっては,飼い主に動物由来感染症予防の啓発や適正な動物とのふれあい方等について説明する必要があると思われた.
―キーワード:アルコバクター,カンピロバクター,収容犬.
------------------------------日獣会誌 61,725〜728(2008) |
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