要 約
過剰排卵処理を施した黒毛和種牛(n=30)の血液生化学検査値と採胚成績および給与飼料中のNFC/DIP比を分析した.結果,正常胚数および正常胚率と過剰排卵処理開始日のBUN(P<0.05)およびBUN/血糖値比(B/G比;P<0.01),B/G比と給与飼料中のNFC/DIP比(P<0.01)に有意な負の相関を認めた.BUN<13mg/dl,B/G比<0.2であった牛で,正常胚率70%以上の頭数が多かったことから給与飼料のNFC/DIP比を5以上に変更しBUNおよびB/G比の変化を観察した結果(n=5),それぞれ7日後および14日後に13mg/dl,0.2未満に低下した.過剰排卵処理開始前の発情日からNFC/DIP比>5の飼料に変更した高NFC/DIP比(B/G比<0.2)区(n=8)の正常胚数(12.5個),正常胚率(72.7%)は低NFC/DIP比区(n=7,B/G比>0.2,4.7個,38.9%)に比べ有意に高かった.
―キーワード:血中尿素態窒素,血糖値,正常胚率.
------------------------------日獣会誌 61,699〜704(2008) |
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細川泰子(岩手県農業研究センター畜産研究所家畜育種研究室)
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