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資 料

家畜衛生研修会(病性鑑定病理部門,2006)*†
における事例記録 ( III )

Proceedings of the Slide-Seminar Held by the Livestock Sanitation Study Group in 2006 Part III *†

(2007年8月22日受付・2007年10月31日受理)

15 牛の血管内皮細胞にアデノウイルス性核内封入体を伴う出血性壊死性腸炎
中谷英嗣(山口県)
 黒毛和種,雌,16日齢,死亡例.繁殖牛5頭を飼養する農家で,2006年4月30日,子牛が起立不能,呼吸速拍,脱水および赤白色の水様から粘稠な便を呈し,補液,ステロイド剤等の治療に反応せず死亡した.

16 子牛の毒素原性大腸菌による血栓形成を伴う線維素性膿性カタル性回腸炎
芳川恵一(長野県)
 黒毛和種,雄,6日齢,死亡例.搾乳牛約20頭を飼養する酪農家で,受精卵移植により2006年4月14日に生まれた子牛1頭が,生後4日目に食欲廃絶と水様下痢のため加療されたが,4月20日に死亡した.

17 豚のLawsonia intracellularisによる増殖性腸炎
小川秀治(秋田県)
 交雑種,雌,80日齢,死亡例.2006年2月に種豚雌30頭を飼養する農家において,離乳後2週間程度から下痢を発症し,発育不良となった肥育豚5頭について病性鑑定を実施した.ワクチンは種豚雌に豚萎縮性鼻炎ワクチンのみを接種していた.

18 鶏の空腸および回腸のコクシジウムによるカタル性腸炎
松尾綾子(神奈川県)
 ボリスブラウン種,雌,82日齢,死亡例.2005年9月20日導入鶏群が,9月30日から元気消失および食欲低下を示し,死亡する個体が散見されたため病性鑑定を実施した.

19 豚の大型らせん菌を認めた粘液カタル性壊死性結腸炎
水戸部俊治(山形県)
 LWD種,去勢雄,5カ月齢,死亡例.繁殖豚100頭を飼養する農家で,2006年3月から4月にかけて,肥育豚舎に移動した豚が約1カ月後に血便を呈し,やや急性経過にて死亡する事例が続き,1カ月間で35頭が死亡した.本症例は死亡例のうちの1頭である.

20 オオハクチョウにみられた鳥類住血吸虫による大腸の閉塞性静脈内膜炎
赤上正貴(茨城県)
 オオハクチョウ,雄,年齢不明,死亡例.県内の水源池で衰弱状態が続いていた個体が死亡したため,病性鑑定を実施した.



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※詳しくは日本獣医師会雑誌Vol.61 No.8をご覧下さい。
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* (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
  (〒305-0856 茨城県つくば市観音台3-1-5)
† 連絡責任者: 木村久美子
(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所牛病理ユニット)
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