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原 著

栃木県下で発生した豚離乳後多臓器性発育不良症候群
発症豚の病理組織学的検討

小島浩一1)†   飯塚綾子2)   田中 実1)   八木沢章裕1)

1)栃木県県央家畜保健衛生所(〒321-0905 宇都宮市平出工業団地6-8)
2)栃木県県南家畜保健衛生所(〒328-0075 栃木市箱森町22-27)

2007年3月29日受付・2008年1月16日受理

要   約

 栃木県で豚離乳後多臓器性発育不良症候群(PMWS)を発症した豚18頭について,リンパ節病変における豚サーコウイルス2型(PCV2)抗原とリンパ球減少との関係を免疫組織化学的に調査した.PMWS発症豚ではリンパ節のリンパ球減少,単核細胞の増生,多核巨細胞浸潤および好塩基性細胞質内封入体が観察された.免疫組織化学的検査ではPCV2抗原陽性細胞数が多い症例ほどリンパ節のBリンパ球数が減少する傾向が示された.また,PCV2抗原陽性細胞数が多い症例ほど多核巨細胞浸潤,リンパ濾胞壊死等の重篤病変がみられる傾向にあった.
―キーワード:Bリンパ球,免疫組織化学的検査,豚サーコウイルス2型,豚離乳後多臓器性発育不良症候群.

------------------------------日獣会誌 61,621〜625(2008)




† 連絡責任者: 小島浩一(栃木県県央家畜保健衛生所)
〒321-0905 宇都宮市平出工業団地6-8
TEL 028-689-1274 FAX 028-689-1279
E-mail : kojimah03@pref.tochigi.lg.jp