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原 著

近年における動物用狂犬病ワクチンの
副作用の発生状況調査

蒲生恒一郎   小川 孝   衛藤真理子

農林水産省動物医薬品検査所(〒185-8511 国分寺市戸倉1-15-1)

(2007年4月18日受付・2007年12月11日受理)

要   約

 平成15年度から17年度に提出された動物用狂犬病ワクチンの副作用報告をもとに,その傾向,特徴等を分析した結果,狂犬病ワクチンは市販の犬用混合ワクチンよりも副作用発現率が有意に低く,より安全なワクチンであることが確認された.また,副作用の発現は1歳未満と10歳以上12歳以下に副作用が多いこと,接種当日に副作用が発現しやすいこと,特に重篤な副作用は6時間以内に発現しやすいことが明らかになった.さらに,アナフィラキシー症状は副作用報告件数の約半数を占めることが示された.これらのことから,使用説明書の記載のとおり,ワクチン注射後当日は注意深く観察することの重要性が確認された.
―キーワード:副作用,犬,狂犬病ワクチン.

------------------------------日獣会誌 61,557〜560(2008)

 

† 連絡責任者: 蒲生恒一郎(農林水産省動物医薬品検査所検査第一部ウイルス製剤第1検査室)
〒185-8511 国分寺市戸倉1-15-1
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