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原 著

免疫ブロット法を用いた山口県における
猫の犬糸状虫感染調査

早崎峯夫1)†    勝矢朗代1)    Song Kun-Ho2)

1)山口大学農学部附属動物医療センター研究室(〒753-8515 山口市吉田1677-1)
2)Laboratory of Veterinary Internal Medicine, College of Veterinary Medicine, Chungnam National University
 (Daejeon, 305-764, South Korea)

(2007年1月29日受付・2007年12月18日受理)

要   約

 犬糸状虫抗原を用いた免疫ブロット検査により,2000年11月から2001年8月にかけて,山口県内で飼育されている猫315頭(雄136頭,雌168頭,不明11頭)を対象に犬糸状虫の感染調査をしたところ,19頭(6.0%)が検査陽性と判定された.雄(12頭/136頭,8.8%)は雌(7頭/168頭,4.2%)より陽性率が高かったが有意差は認められなかった(P=0.095).屋内外を自由行動する猫(11頭/199頭,5.5%)と屋内飼育の猫(5頭/90頭,5.6%)との間の陽性率に有意差は認められなかった(P=0.594).猫の年齢別では,2歳以下(5頭/117頭,4.3%),3〜6歳(6頭/86頭,7.0%)および7歳以上(7頭/92頭,7.6%)の順に年齢が高くなるとともに陽性率は上昇したが有意差は認められなかった(P=0.559).東部(7頭/106頭,6.6%),中部(6頭/123頭,4.9%),西部(5頭/65頭,7.7%)および北部(1頭/11頭,9.1%)の地域間の陽性率に差は認められなかった.
―キーワード:猫,犬糸状虫,免疫ブロット法,感染調査.

------------------------------日獣会誌 61,549〜552(2008)

 

† 連絡責任者: 早崎峯夫(山口大学農学部附属動物医療センター研究室)
〒753-8515 山口市吉田1677-1
TEL・FAX 083-933-5896
E-mail : hayasaki@yamaguchi-u.ac.jp