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行政・獣医事

動物用医薬品副作用症例報告
(平成17年7月分)

薬事法第77条4の2に基づく動物用医薬品副作用症例報告を次のとおり掲載する.


医 薬 品 の 名 称
(製造(輸入)業者名)

副 作 用 発 現 動 物

副 作 用 等 発 現 の 概 要 及 び 転 帰
ズブリン200

ナガセ医薬品(株)

製造番号:S25235

種 類


年齢等

投与前の健康状態

疾患等

関連医薬品の投与歴等

投与量

投与法

投与
年月日
併用薬 副作用発現年月日
(投与後時間)

副作用等の
種類

講じた
処置

転帰

ジャーマンシェパードド
10歳 股関節形成不全 - 1回/日,6.7mg/ kg
(経口投与)
平成17年
  6月25日〜
  7月4日
なし 平成17年
  7月4日
嘔吐,消化管の出血,出血性下痢
7月4日に投与後5〜6時間で嘔吐.
その後吐物に血液の混入,血液混入下痢.ヘマトクリット値30まで低下
点滴,
ファモチジン,
スコポラミン,
アンピシリン,
輸血
回復

《企業の意見及び対応》

  • 担当獣医師:当該医薬品との関連性は高い.
  • 企    業:本剤の投薬は用法及び用量に従い行われており,副作用発現後は獣医師の適切な処置により回復したが,併用薬がないこと,また臨床試験でも消化器系の副作用が認められていたことから,今回の副作用は,当該医薬品との関連性が高いと考えられる.使用上の注意から本剤の投与による消化器症状等の可能性が示されるが,今回の副作用は,血液の混入した嘔吐・下痢であり,ヘマトクリットの低下まで引き起こしており,重症例といえる.
  • 対    応:今後もこのような重症例が認められる可能性もあるため,観察を十分に行い,このような症状が発現した場合には早期に発見し,処置ができるよう,獣医師に情報を提供する.

家畜衛生週報(No. 2906)より