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短 報

骨転移を伴った肝細胞癌の犬の1例

佐々木崇了   谷 健二**†   御領政信   佐藤れえ子
片山泰章   青木 忍

岩手大学農学部(〒020-8550 盛岡市上田3-18-8)

(2007年1月18日受付・2007年11月16日受理)

要   約

 7歳齢の雌のラブラドール・レトリーバーが左後肢の跛行を主訴として来院した.身体検査,血液化学検査,X線検査および骨生検の結果から,左大腿骨遠位部における上皮性腫瘍および肝臓腫瘍が疑われた.しかし,生前に骨病変と肝臓病変の関連性は確認できなかった.緩和的治療を計画したが,症例は死亡した.死後剖検による病理組織学的診断は,骨転移を伴った肝細胞癌であった.本症例は長管骨に転移した肝細胞癌のまれな1例である.
―キーワード:骨痛,肝細胞癌,骨転移.

------------------------------日獣会誌 61,467〜470(2008)

 

*現所属:倉敷芸術科学大学生命科学部(〒712-8505 倉敷市連島町西之浦2640)
†** 連絡責任者(現所属) 谷 健二(山口大学農学部獣医学科獣医外科学教室)
〒753-8515 山口市吉田1677-1
TEL 083-933-5908 
E-mail : ktani@yamaguchi-u.ac.jp