小動物タイトル画像

短 報

犬のStrongyloides sp.感染症例に対する
フェバンテル配合剤の治療効果

伊藤直之1)†   村岡 登2)   河又 淳3)   青木美樹子4)   板垣 匡4)

1)青森県 開業(〒039-1212 三戸郡階上町蒼前西7-9-2932)
2)秋田県 開業(〒013-0065 横手市猪岡字長瀞11)
3)福島県 開業(〒960-8055 福島市野田町3-1-18)
4)岩手大学農学部(〒020-8550 盛岡市上田3-18-8)

(2007年5月25日受付・2007年10月30日受理)

要   約

 犬のStrongyloides sp. 感染に対するフェバンテル配合剤の治療効果を検討した.フェバンテルとして15mg/kg体重の1回経口投与では,糞便内のStrongyloides sp. 第1期幼虫検出を指標とした場合の有効率が50.0%(2/4)であった.1回経口投与で効果がみられなかった2頭に対して,同用量の2回目投与を実施したがやはり効果は認められなかった.他方,フェバンテルの15mg/kg体重1日1回3日間連続投与を1回実施した場合の有効率は,63.6%(7/11)であった.1回目の3日間連続投与で効果がみられなかった4頭に対して,同プロトコールの2回目を実施したところ,50.0%の有効率であり,1回目と2回目をあわせた延べ有効率は81.8%(9/11)であった.
―キーワード:犬,フェバンテル,Strongyloides sp..

------------------------------日獣会誌 61,453〜458(2008)

 

† 連絡責任者(現所属): 伊藤直之(北里大学獣医学部小動物第1内科学教室)
〒034-8628 十和田市東23-35-1
TEL 0176-23-4371 FAX 0176-23-8703
E-mail : naoith@vmas.kitasato-u.ac.jp