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原 著

哺乳豚のコクシジウム病に対するトルトラズリルの
発症防止効果

島田隆男1)†   新井佐知子1)   海老沼久江1)   伊藤 貢2)  西田由美3)
小田憲司3)   平山紀夫3)

1)千葉県農業共済組合連合会北部家畜診療所(〒289-0407 香取市仁良99-1)
2)愛知県 開業(〒441-3502 渥美郡赤羽根町大字赤羽根字石添55)
3)(財)畜産生物科学安全研究所(〒229-1132 相模原市橋本台3-7-11)

(2006年11月24日受付・2007年10月29日受理)

要   約

 哺乳豚のIsospora suisによるコクシジウム病に対するトルトラズリルの有効性を野外で検討した.Isospora suisの重度浸潤が認められた3養豚場,計15頭の母豚から出生した0〜5日齢の哺乳豚153頭を同腹単位で1対1の割合で2群に分け,投薬群は試験薬剤トルトラズリルを20mg/kg単回強制経口投与した.無処置群では67.7%が発症したのに対して,投薬群ではIsospora suisによる発症は認められなかった.異常便の排泄頻度は,投薬群で27.1%,無処置群で82.4%と処置群が有意(P<0.05)に低かった.投薬後7〜14日の1日平均増体量は投与群229.87±63.45g,対照群195.16±77.02gで群間に有意差(P<0.05)が認められた.以上の結果から,哺乳豚にトルトラズリルを20mg/kg単回経口投与することは,投与後2週間にわたりコクシジウム病の発生の防御に有効であることが示された.
―キーワード:コクシジウム,下痢,Isospora suis,哺乳豚,Toltrazuril.

------------------------------日獣会誌 61,439〜442(2008)

 

† 連絡責任者: 島田隆男(千葉県農業共済組合連合会北部家畜診療所)
〒289-0407 香取市仁良99-1
TEL 0478-78-5560 FAX 0478-78-5565
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