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行政・獣医事

動物用医薬品副作用症例報告
(平成17年11月分)

薬事法第77条4の2に基づく動物用医薬品副作用症例報告を次のとおり掲載する.


医 薬 品 の 名 称
(製造(輸入)業者名)

副 作 用 発 現 動 物

副 作 用 等 発 現 の 概 要 及 び 転 帰
バンガードプラス5/CV有
(ジステンパー・犬アデノウイルス(2型)感染症・犬パラインフルエンザ・犬パルボウイルス感染症・犬コロナウイルス感染症・犬レプトスピラ病混合ワクチン)

ファイザー(株)

製造番号:0578202

種 類


年齢等

投与前の健康状態

疾患等

関連医薬品の投与歴等

投与量

投与法

投与
年月日
併用薬 副作用発現年月日
(投与後時間)

副作用等の
種類

講じた
処置

転帰

ミニチュア・ダックスフンド
6週齢 健康 なし 1ml,皮下注射 平成17年
11月2日
なし 平成17年
11月2日
初回ワクチン接種にバンガードプラス5/CV-Lを接種,直後にアナフィラキシーショック
(嘔吐,吐血,虚脱)を呈した.処置後,1時間以内に状態が回復したが,ふたたび嘔吐,吐血を呈したため,そのまま入院加療し,経過を観察,また吐血しそのままエマージェンシー処置後,死亡した.
初期治療としてプレドニン,レスタシン,補液.
その後デキストランLの点滴を行い,次いで乳酸化リンゲル+レバトラン,アドナABPCの点滴を行った.
死亡

《企業の意見及び対応》

  • 担当獣医師 : アナフィラキシー症状は一時期改善したが,その後再度発現し改善されず6時間半後に死の転帰をとったことについては残念に思う.尚,死亡原因には誤嚥による可能性も否定できない.
  • 企    業 : 今回認められた症状(嘔吐,吐血(喀血)及び虚脱)の発現・経過等から,本剤投与との因果関係を否定することはできない.本剤投与による急性ショック反応とも考えられる.症状発現後ただちに全身症状に対する緊急処置を行い,一時的に改善がみられたものの死亡に至ったことから,何らかの基礎疾患を保有していた可能性も示唆された.また,直接的な死因には誤嚥等の可能性も考慮すべきと考えられた.すでにアレルギー症状の発現の可能性については添付文書の使用上の注意に記載して注意喚起を行っているが,引き続き同様の情報収集に努めたい.

家畜衛生週報(No. 2902)より