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行政・獣医事

豚コレラウイルスの抗体陽性豚(ワクチンの無許可
接種の疑い)の確認について



20日獣発第39号
平成20年4月28日
地方獣医師会会長 各位
社団法人 日本獣医師会
会 長  山根義久
(公印及び契印の押印は省略)
豚コレラウイルスの抗体陽性豚(ワクチンの無許可接種の疑い)の確認について
 このことについて,平成20年4月16日付け20消安第386号をもって,農林水産省消費・安全局長から別添写しのとおり通知がありましたので,ご了知の上,貴会関係者に周知方お願いします.
  このたびの通知は,平成18年4月1日から全都道府県で全面的に豚コレラワクチン接種を中止したにもかかわらず,今般,都道府県知事の許可なく豚コレラワクチンの使用が疑われる事案が確認されたことから,各都道府県に対して関係者への法令遵守の指導等の徹底を依頼したことについて,本会会員への周知を求めたものです.
  なお,今回の通知においては,豚コレラの早期発見を期すため,特に,診療獣医師に対しては,異常な症状等を認識したときは,直ちに家畜保健衛生所へ通報する旨が求められている旨を申し添えます.




20消安第386号
平成20年4月16日
社団法人 日本獣医師会会長 殿
農林水産省消費・安全局長
豚コレラウイルスの抗体陽性豚(ワクチンの無許可接種の疑い)の確認について
 標記の件につきまして,別添のとおり各都道府県知事あてに通知しましたので,御了知の上,貴会会員への周知徹底をお願いします.




20消安第386号
平成20年4月16日
各都道府県知事 殿
農林水産省消費・安全局長
豚コレラウイルスの抗体陽性豚(ワクチンの無許可接種の疑い)の確認について
 豚コレラワクチンについては,豚コレラ撲滅対策の成果を踏まえ,平成12年10月1日,原則として全国的に接種を禁止し,防疫上の混乱を回避するため,家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)第50条の規定に基づき,その使用について都道府県知事の許可を要することとしたところです.さらにその後の清浄性の確認等を踏まえ,平成18年4月1日には全都道府県で,全面的にワクチン接種を中止したところです.
 しかしながら,今般,別紙のような,都道府県知事の許可なく豚コレラワクチンの使用が疑われる事案が確認されたことは,本病の清浄性の維持について関係者が努力している中において,極めて遺憾なことであり,各都道府県におかれましては,下記に御留意の上,養豚農場,関係団体等関係者への関係法令の遵守の指導等の徹底をお願いします.
  1. 関係者への法令遵守の指導
     ワクチンの適正な流通及び使用について,生産者,獣医師及び動物用医薬品販売業者に対し家畜伝染病予防法及び薬事法等関係法令の遵守を指導すること.
  2. 養豚農場への指導及び確認
     すべての養豚農場に対して立入検査を行い豚コレラワクチンの在庫及び使用実態がないことを再確認すること.この際,平成17年度に都道府県知事の許可を受けて豚コレラワクチンの接種を行っていた農場については直ちに確認し,今月末までに報告すること.
  3. 豚コレラ防疫指針に基づくサーベイランスの適切な実施
     現在,豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針に基づき本病の清浄性の維持・確認のため,すべての養豚農場について,毎年度1回の臨床検査による異常豚の摘発及び病性鑑定を実施するとともに,無作為に抽出した農場の一定頭数の抗体保有状況を調査しているところであるが,当該サーベイランスの適切な実施を図るため,検査農場及び検査豚の抽出方法等を再確認し,今月末までに報告すること.
  4. 豚コレラの早期発見,早期通報の徹底
     本病の早期発見,早期通報を徹底するため,豚の所有者に対し,日常の健康観察を徹底するとともに,豚の所有者及び獣医師に対し,異常な症状等を確認した場合には,直ちに家畜保健衛生所へ通報するよう指導すること.




【別紙】
豚コレラウイルスの抗体陽性豚(無許可ワクチン接種の疑い)の確認について
  1. 経   緯
      (1)4月11日(金),茨城県から農林水産省に対し,「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」(平成18年3月31日農林水産大臣公表)に基づく豚コレラの清浄性確認のためのサーベイランスにおいて,豚コレラに特徴的な臨床症状(発熱や白血球数減少等)は見られないが,豚コレラの抗体陽性である豚を確認.

    ・・・・・・・・・・農場の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    (株)ヒラノ北浦農場(肥育豚約280頭飼養)
    69頭検査したうち11頭で豚コレラの抗体陽性を確認
    ※(株)ヒラノ(本社:栃木県):茨城県,千葉県,群馬県,栃木県及び福島県の69農場で豚を飼養し,年間出荷頭数は約22万頭との情報
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


     (2)このため,直ちに農林水産省動物衛生課から,茨城県及び関連農場の所在する千葉県,栃木県,群馬県,福島県に連絡し,防疫指針に基づき,各県から北浦農場及び関連農場に移動自粛を要請するとともに,北浦農場及び関連農場の豚の抗体検査等を実施.
     (3)この結果,昨日までに北浦農場以外の68農場への立入が終了し,いずれも本病を疑う特徴的な臨床症状はない.また68農場のうち茨城県,千葉県,栃木県及び福島県の17農場の一部の豚で豚コレラの抗体陽性が確認(一部の農場は検査中).なお,北浦農場のウイルス確認検査では,蛍光抗体検査は陰性,ウイルス分離検査は実施中.
     (4)また,(株)ヒラノ大栄事務所(千葉県)において,豚コレラワクチンの存在が確認され,(株)ヒラノから千葉県6農場及び栃木県2農場において,母豚(平成19年4月まで)及び育成豚(平成20年3月まで)に当該ワクチンを接種していたとの説明.