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短 報

肝破裂が認められた猫の全身性アミロイド症2例

柑本敦子1)†   伊東輝夫1)   内田和幸2)   遠藤泰之3)   椎 宏樹1)

1)八仙会動物医療研究部(〒881-0012 西都市小野崎2-27)
2)宮崎大学農学部(〒889-2155 宮崎市学園木花台西1-1)
3)鹿児島大学農学部(〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-24)

(2007年1月22日受付・2007年9月10日受理)

要   約

 猫白血病ウイルス陽性猫2例において,剖検で肝破裂と血腹が認められた.1例では臨床的に重度の肝腫大と腎腫大,重度の高ビリルビン血症,および腎リンパ腫を示唆する細胞所見が認められ,化学療法に反応せず死亡した.もう1例は骨髄異形成症候群による慢性貧血の治療を受けており,高ビリルビン血症を示して死亡した.病理組織検査では,2例ともに肝臓に重度のアミロイド沈着が認められた.より軽度のアミロイド沈着は腎臓や他の臓器にも認められ,全身性アミロイド症と診断された.これら2例の肝破裂はアミロイド症に関連していると考えられた.
―キーワード:猫,肝破裂,全身性アミロイド症.

------------------------------日獣会誌 61,382〜385(2008)

 

† 連絡責任者: 柑本敦子(青葉動物病院)
〒880-0842 宮崎市青葉町92-1
TEL 0985-22-1228 FAX 0985-22-1227
E-mail : koji_atsu@ybb.ne.jp