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短 報

乳牛の顆粒膜細胞腫罹患卵巣摘出後に妊娠した2症例

羽石敬史1)   沖田浩二1)   内田和幸1)   住吉俊亮2)
谷 峰人2)   上村俊一1)†

1)宮崎大学農学部(〒889-2192 宮崎市学園木花台西1-1)
2)託麻家畜診療所(〒861-8041 熊本市戸島3-13-41)

(2006年10月12日受付・2007年8月17日受理)

要   約

 ホルスタイン種未経産牛と経産牛(3産)各1例において,超音波検査により大小多数の嚢胞状構造を示す肥大した卵巣が1側性に観察された.顆粒膜細胞腫を疑い,罹患卵巣の摘出を行って病理組織学的に検査し,顆粒膜細胞腫と診断した.それらの牛について罹患卵巣の摘出後,残存する反対側卵巣の動態を観察し,それぞれ11日,37日に回帰した発情徴候発現時に人工授精(AI)を行ったが受胎しなかった.しかし,その後21日に発現した第2回発情徴候発現時のAIで両症例とも受胎した.
―キーワード:牛顆粒膜細胞腫,受胎,卵巣摘出.

------------------------------日獣会誌 61,372〜375(2008)

 

† 連絡責任者: 上村俊一(宮崎大学農学部獣医学科獣医臨床繁殖学講座)
〒889-2192 宮崎市学園木花台西1-1
TEL・FAX 0985-58-7787
E-mail : kamimuras@cc.miyazaki-u.ac.jp