要 約
牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)に汚染された環境に豚を搬入することにより,豚へのBVDV感染が成立することを調べるため,感染試験を実施した.試験1群および試験2群はBVDV野外株細胞培養上清およびPI牛から採取した尿を豚房床および飼料に散布し,そこへ豚を搬入した.試験2群には上記に加えてBVDV液を強制的に経口接種した.また,陽性対照群にはBVDV液を筋肉内接種,陰性対照群にはBVDVを含まない細胞培養液を豚房床に散布した.試験開始後3〜14日目に,陰性対照群以外では血清中からBVDVが分離され,14日目以降にBVDV中和抗体の上昇が認められた.これらのことから,BVDVに汚染された環境は,豚へのBVDVの感染源となることが示唆された.
―キーワード:牛ウイルス性下痢ウイルス,汚染環境,豚.
------------------------------日獣会誌 61,367〜371(2008) |
† 連絡責任者: |
高久英徳(北海道根室家畜保健衛生所)
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