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原 著

牛ウイルス性下痢ウイルス汚染豚房における
牛ウイルス性下痢ウイルス感染試験

高久英徳1)†   大和田真紀1)   宮根和弘1)   斎野 仁1)  畠間真一2)

1)北海道根室家畜保健衛生所(〒086-0214 野付郡別海町別海緑町69)
2)(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所北海道支所(〒062-0045 札幌市豊平区羊ヶ丘4)

(2007年4月12日受付・2007年9月27日受理)

要   約

 牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)に汚染された環境に豚を搬入することにより,豚へのBVDV感染が成立することを調べるため,感染試験を実施した.試験1群および試験2群はBVDV野外株細胞培養上清およびPI牛から採取した尿を豚房床および飼料に散布し,そこへ豚を搬入した.試験2群には上記に加えてBVDV液を強制的に経口接種した.また,陽性対照群にはBVDV液を筋肉内接種,陰性対照群にはBVDVを含まない細胞培養液を豚房床に散布した.試験開始後3〜14日目に,陰性対照群以外では血清中からBVDVが分離され,14日目以降にBVDV中和抗体の上昇が認められた.これらのことから,BVDVに汚染された環境は,豚へのBVDVの感染源となることが示唆された.
―キーワード:牛ウイルス性下痢ウイルス,汚染環境,豚.

------------------------------日獣会誌 61,367〜371(2008)

 

† 連絡責任者: 高久英徳(北海道根室家畜保健衛生所)
〒086-0214 野付郡別海町別海緑町69
TEL 0153-75-2439 FAX 0153-75-2737
E-mail : takaku.hidenori@pref.hokkaido.lg.jp