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短 報

幼雛における腺胃重積症

生澤充隆   御領政信   佐々木 淳   岡田幸助

岩手大学農学部(〒020-8550 盛岡市上田3-18-8)

(2007年3月14日受付・2007年8月10日受理)

要   約

 2005年1月,外国より導入された採卵鶏雛24,000羽の群において,4羽の雛が腺胃重積症と診断された.剖検所見では腺胃が食道を巻き込みながら筋胃内へ陥入し,陥入部内腔では腺胃の点状出血が認められ,チーズ様物で覆われていた.陥入部の組織学的検索では,陥入部近位端では異常はほとんど認められなかった.陥入部遠位端には粘膜ヒダの変性・壊死および炎症細胞浸潤,粘膜表層における細菌塊を伴う偽膜形成が認められ,組織学的に偽膜性腺胃炎と診断された.病変部以外の臓器では,胸腺皮質の軽度萎縮が認められた.
―キーワード:幼雛,重積,腺胃.

------------------------------日獣会誌 61,299〜302(2008)

 

† 連絡責任者: 御領政信(岩手大学農学部)
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