要 約
ワクモの駆除を目的とした市販殺虫剤のカーバメイト系製剤2剤,ピレスロイド系製剤1剤,有機リン系製剤2剤,ハエの駆除を目的とした市販殺虫剤ピレスロイド系製剤2剤,ピレスロイド系と有機リン系の合剤2剤について,1道1府18県72農場から採取したワクモを用い,薬剤の抵抗性出現について調査した.すべての殺虫剤に対してワクモの抵抗性出現がみられたが,カーバメイト系のカルバリル,合剤のフェニトロチオン・ペルメトリン・フタルスリンでの出現率は他剤に比べて低い傾向にあった.しかし,ワクモの駆除を目的とした3系統の薬剤のすべてに抵抗性出現がみられるワクモが12/72農場で確認された.抵抗性の出現は個々の農場によって異なり,この差異は薬剤使用履歴に大きく関与していると考えられる.
―キーワード:カーバメイト系,ワクモ,抵抗性出現,有機リン系,ピレスロイド系.
------------------------------日獣会誌 61,287〜293(2008) |
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