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原 著

国内におけるワクモDermanyssus gallinae
市販殺虫剤に対する抵抗性出現

村野多可子   並木一男   椎名幸一   安川 久

千葉県畜産総合研究センター(〒289-1113 八街市八街へ16-1)

(2007年5月14日受付・2007年8月6日受理)

要   約

 ワクモの駆除を目的とした市販殺虫剤のカーバメイト系製剤2剤,ピレスロイド系製剤1剤,有機リン系製剤2剤,ハエの駆除を目的とした市販殺虫剤ピレスロイド系製剤2剤,ピレスロイド系と有機リン系の合剤2剤について,1道1府18県72農場から採取したワクモを用い,薬剤の抵抗性出現について調査した.すべての殺虫剤に対してワクモの抵抗性出現がみられたが,カーバメイト系のカルバリル,合剤のフェニトロチオン・ペルメトリン・フタルスリンでの出現率は他剤に比べて低い傾向にあった.しかし,ワクモの駆除を目的とした3系統の薬剤のすべてに抵抗性出現がみられるワクモが12/72農場で確認された.抵抗性の出現は個々の農場によって異なり,この差異は薬剤使用履歴に大きく関与していると考えられる.
―キーワード:カーバメイト系,ワクモ,抵抗性出現,有機リン系,ピレスロイド系.

------------------------------日獣会誌 61,287〜293(2008)

 

† 連絡責任者: 村野多可子(千葉県畜産総合研究センター生産技術部)
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