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原 著

超微細高密度オゾン水による殺ウイルス効果試験

白井淳資1,2)†    松村栄治3)    萩原信子3)

1)(独) 農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所海外病研究施設(〒187-0022 小平市上水本町6-20-1)
2)東京農工大学大学院共生科学技術院農学部(〒183-8509 府中市幸町3-5-8)
3)(株) ネイチャーズ(〒154-0011 世田谷区上馬3-18-11-305)

(2007年2月22日受付・2007年6月27日受理)

要   約

 超微細高密度オゾン水を用いて,エンベロープを有する4種類のウイルスおよび口蹄疫ウイルス(FMDV)と豚水胞病ウイルス(SVDV)に対する殺ウイルス効果を調べた.本オゾン水は完全な効果を示すために最低100ml(4mg/l)を要したが,混合直後に殺ウイルス効果を示した.エンベロープを有するウイルスおよびFMDVに対しては1mg/lのオゾン濃度で効果を示したが,SVDVに対しては3mg/lを要し,有機物を混入した材料ではさらに1mg/l高い濃度4mg/lが必要であった.生成後室温に開栓状態で放置したオゾン水はエンベロープを有するウイルスおよびFMDVに対し生成60分後でも効果を示したが,SVDVには効果が減弱した.このように本オゾン水は低濃度で即効性があるので,ウイルスの消毒に有効に利用できると思われる.
―キーワード:家畜ウイルス,消毒,超微細高密度オゾン水.

------------------------------日獣会誌 61,233〜239(2008)

 

† 連絡責任者: 白井淳資(東京農工大学大学院農学部獣医学科獣医伝染病学講座)
〒183-8509 府中市幸町3-5-8
TEL・FAX 042-367-5780 E-mail : jshirai@cc.tuat.ac.jp