要 約
超微細高密度オゾン水を用いて,エンベロープを有する4種類のウイルスおよび口蹄疫ウイルス(FMDV)と豚水胞病ウイルス(SVDV)に対する殺ウイルス効果を調べた.本オゾン水は完全な効果を示すために最低100ml(4mg/l)を要したが,混合直後に殺ウイルス効果を示した.エンベロープを有するウイルスおよびFMDVに対しては1mg/lのオゾン濃度で効果を示したが,SVDVに対しては3mg/lを要し,有機物を混入した材料ではさらに1mg/l高い濃度4mg/lが必要であった.生成後室温に開栓状態で放置したオゾン水はエンベロープを有するウイルスおよびFMDVに対し生成60分後でも効果を示したが,SVDVには効果が減弱した.このように本オゾン水は低濃度で即効性があるので,ウイルスの消毒に有効に利用できると思われる.
―キーワード:家畜ウイルス,消毒,超微細高密度オゾン水.
------------------------------日獣会誌 61,233〜239(2008) |
† 連絡責任者: |
白井淳資(東京農工大学大学院農学部獣医学科獣医伝染病学講座)
〒183-8509 府中市幸町3-5-8
TEL・FAX 042-367-5780 E-mail : jshirai@cc.tuat.ac.jp |
|