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原 著

高純度オゾンガスによる口蹄疫ウイルスの消毒効果試験

白井淳資1,2)†    松村栄治3)    萩原信子3)

1)農業(独) 食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所海外病研究施設(〒187-0022 小平市上水本町6-20-1)
2)東京農工大学大学院共生科学技術院農学部(〒183-8509 府中市幸町3-5-8)
3)(株) ネイチャーズ(〒154-0011 世田谷区上馬3-18-11-305)

(2007年1月5日受付・2007年5月29日受理)

要   約

 口蹄疫ウイルス(FMDV)および豚水胞病ウイルス(SVDV)を広さおよび構造の異なる2つの動物実験室内に置き,オゾンガスを噴射して,その消毒効果を調べた.その結果オゾンガスは実験に用いたウイルスの液量により効果が異なるが,オゾン濃度が4mg/lを超えると用いた2種類のウイルスに効果を示した.FMDVはオゾンガスで完全に不活化されたが,SVDVは不活化されるもののウイルスが少量残存した.これらの結果からオゾンガスはFMDVの消毒に利用できることが明らかとなった.オゾンガスは安全で脱臭効果もあり,ホルマリンに変わり使用できる燻蒸消毒剤として使用できると思われる.
―キーワード:燻蒸消毒,FMDV,オゾンガス.

------------------------------日獣会誌 61,157〜161(2008)

 

† 連絡責任者: 白井淳資(東京農工大学大学院農学部獣医学科獣医伝染病学講座)
〒183-8509 府中市幸町3-5-8
TEL ・FAX 042-367-5780 E-mail : jshirai@cc.tuat.ac.jp