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と畜場搬入豚におけるBrachyspira pilosicoli と Brachyspira hyodysenteriae の感染率 |
大場剛実1)† 芝原友幸2) 高島阿里子1) 平田清久1) 高田正耕1)
門田耕一3) 久保正法2)
1)富山県食肉検査所(〒934-0035 射水市新堀28-4) 2)農業(独) 食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所(〒305-0856 つくば市観音台3-1-5) 3)農業(独) 食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所北海道支所(〒062-0045 札幌市豊平区羊ヶ丘4) |
要 約
2005年2月から2006年3月にかけて,と畜場に搬入された豚におけるBrachyspira pilosicoli (Bp)とBrachyspira
hyodysenteriae (Bh)の感染率について3回に分けて調べた.1回目は,37農場由来16,431頭の大腸を肉眼的に調べたところ,大腸炎が8農場(21.6%),50頭(0.30%)に認められた.このうち,1頭(2%)からBp,45頭(90%)からBhを分離した.2回目は,Bp汚染農場の2,810頭を調べ,大腸炎がみられた20頭(0.71%)中2頭(10%)よりBpを,15頭(75%)よりBhを分離した.3回目は,Bp汚染農場の大腸炎を認めない50頭を調べ,3頭(6%)からBp,13頭(26%)からBhを分離した.以上から,BpとBhは汚染農場の豚に一定の割合で保菌されていることがわかった.このような無症状の保菌豚は主要な感染源であると考えられた.Bpは人と動物の共通感染症の原因菌であり,食肉処理時に汚染が広がらないように注意する必要がある.
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